【電卓の日】calculator kimono design
投稿 / 初出 Twitter
3月20日は電卓の日。
早川電機工業株式会社(現・シャープ株式会社)によって国産第1号の電子式卓上計算機「コンペット CS-10A」が販売されたのは1964年3月18日のことだが、一千万台が販売された記念として社団法人 日本事務機械工業会が3月20日に制定したのだという。公式サイトから引用すると「多くの記念日がある3月の中でも、市場の隆盛を象徴する春の到来を意味し、しかも覚えやすい日ということで"3月20日"に設定されました。」ということであるが、なんだか分かったような分からない理由だ。現のシャープ公式サイトで「電卓の日」と検索しても、何もヒットしない。怒ってるのだろうか。
ところで1980年代ごろに一世風靡した電卓を覚えているだろうか。「ゲーム電卓」である。今の若い方は当然知らないだろうから説明しておくと、数字が表示される横長の液晶部分、デジタルの「8」(7セグメントディスプレイ)と小数点しか表現できないあの画面で遊ぶことができていたのだ。画面右から流れてくる数字を消していく「デジタルインベーダー」、欠けた8の数字に線を足して8にしていく「エイトアタック」などがあり、後期にはゲームウォッチばりのゲームが搭載されていたようだ。当時はちょうどファミコンが出始める時期ではあったが、ゲーム機もろくに買って貰えなかった貧困時代の私にとってはなかなかの暇潰し機であった。むろん、そのぶん電池を消費するのでやり過ぎると怒られたのだが。当時すでに電卓は手のひらサイズではあったが、20年くらいで「スマートフォン」へと進化し、電卓が逆にオマケ機能になったと考えると、テクノロジーの進化にはただ驚くばかりである。 この現代で手のひらサイズのものは、さらに20年後にはとんでもない製品に進化していることだろう。
絵について少しだけ触れておくと、着物の柄は見ても分かる通り電卓のテンキーをデザイン。「+」のキーだけ縦長二個分なのがアクセントになっており、個人的にそこが気に入っている。電源のONを赤色にするかで悩んだが、悪目立ちしていたために思い切って黒と白で統一した。誰にも触れられなかったが、帯はソーラーパネル柄である。左腕が妙なポーズになっているのは、もともとは机のようなものに肘を置いている想定であったため。この机を巨大なそろばんのデザインで描いたまではよかったが、さすがにシュールすぎて止めてしまった。意外にTwitterでの反応がよかった一枚である。